【力学】鎖の引き上げ問題【一定の速さで引き上げるVer.】

力学
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taniten
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今回は大学の力学でよく目にする鎖の引き上げの問題について解説していくよ!

鎖の引き上げの問題って、「一定の速さ」で引くのと「一定の力」で引く2種類がありますよね?今回はどちらなんですか?

ふうた君
ふうた君
taniten
taniten

今回は「一定の速さ」で鎖を引き上げる場合を考えるよ。それじゃあ早速やっていこう!

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問題

 長さ\(l\)、質量\(M\)の鎖の一端を持ち、一定の速さ\(v\)で鉛直方向に引き上げる。引き上げ始めてから時刻\(t\)が経過した時の鎖の鉛直部分の長さが\(h\)であるとき、鎖を引き上げようとする力\(F\)はいくらか?

taniten
taniten

このとき地面に置いてある鎖はひとまとまりになっていて、1つの大きな塊として解釈してね。

解説

必要な知識

今回の問題で扱う鎖は、質点とみなすことができない。
しかし鎖を構成する一つ一つの輪っかを質点と考えれば、多数の質点が集まって互いに相互作用を及ぼし合っている一つの物体系とみなすことができる。

このように、多数の質点からなっている力学系を質点系という。

質点系の問題を考える際には、内力と外力を分けて考える必要がある。

ニュートンの運動方程式\(ma = F\)は、運動している物体の運動量\(p\)を用いて、
$$\frac{dp}{dt} = F$$
と表される。

質量\(m\)、速さ\(v\)で運動する物体の運動量は\(p = mv\)で表される。この両辺を時間\(t\)で微分すると、
\begin{align}
\frac{dp}{dt} &= m\frac{dv}{dt}\\
&= ma\\
&= F
\end{align}
となり、ニュートンの運動方程式を運動量で表すことができる。

運動方程式は位置\(x\)だけでなく運動量\(p\)でも表すことができるんだね!

ふうた君
ふうた君

解答

鎖の線密度を\(\rho = \frac{M}{l}\)とし、鉛直上向きを正の向きにとる。

鎖は一定の速さ\(v\)で引き上げられているので、\(h\)は時間とともに大きくなっている。つまり、持ち上げている鎖の質量\(m\)は時間\(t\)に依存する
これらより、運動量の形で表した運動方程式を用いれば良さそうだとわかる。

taniten
taniten

今回は速度\(v\)が一定だから\(x\)を使った運動方程式だと上手く立式できないんだよ。

時刻\(t\)、持ち上げた部分の長さが\(h\)のとき、この瞬間の鎖の運動量\(p(t)\)は、
$$p(t) = m(t)v = (\rho h)v = (\rho vt)v = \rho v^{2}t$$
となる。

このとき鎖に働く力は、上に引っ張る力\(F\)から持ち上げられた部分の鎖の重力を引いたものなので、
$$F – m(t)g = F – \rho vgt$$
となる。

以上から鎖についての運動方程式より、鎖に加える力\(F\)は、
\begin{align}
& \qquad \frac{dp}{dt} = F – m(t)g = F – \rho vgt\\
& \Longleftrightarrow \frac{d}{dt} (\rho v^{2}t) = F – \rho vgt\\
& \Longleftrightarrow \rho v^{2} = F – \rho vgt\\
& \Longleftrightarrow F = \rho vgt + \rho v^{2} = \rho (gh + v^{2})
\end{align}
となる。

持ち上げた部分の長さ\(h\)が大きくなるほど、必要な力\(F\)も大きくなっていくんだね!

ふうた君
ふうた君
taniten
taniten

その通り。ちなみにこの問題を解くときに、力学的エネルギー保存則は使えないから気をつけてね。

そうなんですか?なぜ力学的エネルギー保存が成り立たないんでしょうか?

ふうた君
ふうた君
taniten
taniten

鎖を少し持ち上げるときに、下の鎖の塊から鎖が少し補充されるよね。鎖を一定の速さで持ち上げ続けるためには、この補充の瞬間に鎖に強い力を働かせる必要があるんだけど、力学的エネルギー保存則ではこの強い力が考慮されないんだよ。

つまり、今回のように質量が連続的に変化する場合には、力学的エネルギー保存則を使うことができないということ?

ふうた君
ふうた君
taniten
taniten

その通り!逆に運動量で考えるときは、、この補充の瞬間の力が考慮されるので、正しい答えを導くことができるんだ。
運動量とエネルギーのどちらを使えばいいのかしっかり見分けられるようになろう!

コメント

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